市川團十郎『襲名興行』で見えた相撲界去った「貴乃花との共通点」 | FRIDAYデジタル

市川團十郎『襲名興行』で見えた相撲界去った「貴乃花との共通点」

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11月7日より東京の歌舞伎座で襲名興行が始まった市川團十郎と市川新之助
11月7日より東京の歌舞伎座で襲名興行が始まった市川團十郎と市川新之助

11月7日より東京・歌舞伎座で幕が開いた市川團十郎襲名興行。本来であればすぐにでも“満員御礼”が出るのが当たり前の大名跡の襲名にもかかわらず、チケットの売れ行きは芳しくなかった。

「“團十郎”といえば、歌舞伎界ではトップに位置する名跡です。しかも、知名度抜群の海老蔵さんと息子の勸玄くんとのW襲名ですから、当然、チケットの売り上げは期待されていました。

しかし、フタを開けてみれば、あまりにも売れ行きが悪い。松竹は急きょ、テレビCMを打つほど深刻な状況でした」(スポーツ紙記者)

確かに歌舞伎界だけでなく、新型コロナウイルスの影響は芸能界に深刻な影響を与えている。だが、’05年に歌舞伎座で3か月連続で行った故・中村勘三郎さんの襲名興行は、チケットは即日完売だった。

「当初は東京オリンピックの開催に合わせて、’20年に歌舞伎座で3か月連続の襲名公演が予定されていた。それほど、松竹の期待も高かったわけですが、コロナで無期限延期になってしまった。

その間に團十郎さんの亡き妻である麻央さんの姉・麻耶さんの暴露や、彼自身の女性問題などが噴出。亡き妻を大切にし、残された子どもを一生懸命に育てる“イクメン”像が一気に崩れてしまいましたね」(同・スポーツ紙記者)

だが、今回の売れ行きの悪さは、コロナ禍やスキャンダルの影響だけではなさそうだ…。

「最も大きな問題は、父親の代から脈々と受け継ぐはずのご贔屓筋がチケットを積極的に買っていないことですよ。中には、応援することを辞めてしまった人も結構います。

襲名興行ともなれば、ご贔屓筋がご祝儀と共に何枚もチケットを買ってくれるのが普通です。團十郎さんの成田屋ともなれば、全国にご贔屓筋がいるわけですから、2か月公演なんてすぐに席が埋まるはずなんですけどね…」(梨園関係者)

それにしても、昔から“歌舞伎は襲名興行、宝塚は引退興行で儲ける”という格言があるほど、景気のいい話になるはずだった。それだけに、歌舞伎界としてもなんとも寂しい限りだろう。

「今回の襲名興行を急いだのは團十郎さん自身と言われています。ですが、発表から初日まで時間が少なかったということは、ご贔屓筋への挨拶もおろそかだったということです。

ただ、團十郎さんは“自分は人気があるから”と過信していたフシがあった。積極的に後援会の人たちと会っていたという話はあまり聞かないですもんね」(全国紙記者)

そんな團十郎の姿に“平成の大横綱”である貴乃花が重なって見えるという人も。確かに歌舞伎と相撲は伝統を重んじるという面では、似ているところがある。

「相撲なら、歌舞伎のご贔屓筋に当たるタニマチが部屋を経済的に支えてくれます。ですが、貴乃花さんは抜群の人気がありながら、そのタニマチをあまり大切にはしなかった。結局、有能なお弟子さんを輩出していたのにもかかわらず、部屋の運営が立ち行かなくなり、最終的には部屋を畳んで相撲界を離れることになってしまった。今回の團十郎さんのご贔屓筋離れを見ていると、それがダブって見えるんですよね…」(スポーツ紙記者)

歌舞伎や相撲界を改革していこうという姿も二人は似ている。それだけに、周囲からの反発が多いというのも共通点だろう。

“海老蔵”という名前は貴乃花のように、抜群の知名度を誇っている。だが、それだけではチケットがさばけなかったという現実を、舞台の上から團十郎はどう感じているのだろうか…。

  • PHOTO蓮尾 真司

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