50万円案件も登場⁉高額化が止まらないワクチンバイトの実態 | FRIDAYデジタル

50万円案件も登場⁉高額化が止まらないワクチンバイトの実態

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〈コロナの第8波が到来する中、政府は「経済を止めるな!」の号令のもと、国民への積極的なワクチン接種を呼びかけている。多額の予算を投じてこれを進めようとしているが、その結果、医療業界にある”バブル”が起こっていることをご存じだろうか。ワクチンの打ち手に、場合によっては一日数十万円におよぶ「報酬」が払われているというのだ。

知られざる「ワクチンバイト」の実態について、東京都の病院で院長を務める佐藤田文雄氏(仮名)が明かした〉

実際に募集で使われているメール本文。星印は「万円」を意味するという
実際に募集で使われているメール本文。星印は「万円」を意味するという

新型コロナウイルス対策として、政府はこの10月からさらなるワクチン接種を進めています。高齢者や基礎疾患がある方には5回目の接種を、一般の方には4回目の接種を、そして小児接種年齢の拡大(6ヶ月から4歳)を年末までに急ピッチで進める方針を掲げています。

ワクチン接種を拡大していくことは、感染対策としては正しいことです。また、経済を回すためにも、接種を進めていくことは必要であります。

しかしながら、そこに投じられる予算も膨れ上がっていることもご存じでしょうか? 集団接種が至るところで再開されましたが、急ピッチでワクチン接種を進めている影響もあって、ワクチンを打てる医師の確保に、すさまじい金額が使われているのです。

その理由の一つは、もちろん打ち手が足らないことですが、打ち手である医師のなかには、「待てば待つほど報酬が激増する」ことを知ってしまったため、1日15万円~20万円(時給2万円から2.5万円)の案件での応募では手を挙げず、値段が上がるまで待つ人が現れたのです。このため、医師への報酬がどんどん上がっているのです。

そうして高騰した結果、日当が50万円になることも。さすがにここまでくると1分もたたず応募が殺到するようですが、接種の担い手側である医師も需要と供給のバランスを知ってしまったのでしょう。

2021年5月、ワクチンが日本で始まった頃の募集では、「新型コロナウイルス感染予防への寄与という公衆衛生への貢献」という意識を持つ医師が多く、案件応募が開始されれば、報酬にかかわらず、数分で応募が締め切られておりました。

それが、医療の側も「withコロナ」に慣れすぎてしまったのでしょうか、今ではそのような実態は薄れていってしまいました。

11月には、ワクチン接種の需要がピークを迎え、打ち手不足も進みました。その結果、東京都で40万円~75万円、千葉県で1日50万円、東北地方で60万円など、空前絶後の「コロナワクチンバブルとなったのです。

これに釣られるかのように同時接種が進められているインフルエンザワクチン接種、健診の報酬も再上昇し、時給3万円ベースとなるものも散見されるようになりました。

こうした現象が連日続くため、医師を紹介する人材会社の利益も相当増加しており、ワクチン報酬の高騰価と連動して株価が高騰している企業も存在しています。

しかし、バブルはいつかはじけるもの。医療界のワクチンバブルもコロナの終息とともにはじけ飛びます。そのとき、高額な報酬に慣れてしまった医師たちが、どんな価値観を持って業務に従事するのか――なにか、日本の医療界にとって良くないことが起こりそうな予感がしています。

繰り返しますが、ワクチンの接種を進めることは大事です。また、多くの医師が「ワクチン接種の高額報酬」を快く思ってはいません。しかしながら、政府の焦りを利用した医師もいるのも事実。ワクチン接種を滞らせるわけにもいかないし、モラルハザードも許しがたい。これはコロナが生んだ、忌むべき問題なのです。

一日の勤務で75万円を超えるケースも
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実際に募集で使われているメール本文。
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