<figure id="attachment_278589" aria-describedby="caption-attachment-278589" style="width: 2270px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="73c068fc"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/093d6185ff63dbbbed533e1861cc393c.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278589" class="wp-caption-text">昨年オフには、「もう１年だけ頑張ろう」と心に決めていたという内海。「投手人生をやり尽くしました」</figcaption></figure>
「後悔を言い始めたら、やっぱり200勝を目指してましたし、そこから不調とか怪我とかしんどい辛いはいっぱいありましたけど・・・今はホッとしてますね。解放されたというか。やり尽くしました」
今季限りで引退し、来季から埼玉西武ライオンズの２軍投手コーチに就任した内海哲也コーチ(40)は、19年間の現役生活を振り返り、清々しい笑顔で語り始めた。
「今思うことは自分自身本当によく頑張ったなと。良い選手が入ってくる中でよく生き残れたなと思います。先輩から、『引退した後もう一回やりたいとか思ったりする』って聞いていたんですけど、僕は全くないですね。燃え尽きました」
03年に自由獲得枠で大ファンだった巨人に入団。11年、12年と２年連続で最多勝を獲得するなどエースとしてジャイアンツ投手陣を支えてきた。しかし、14年ごろから相次ぐ怪我に悩まされ、そこから巨人での４年間は全く活躍できなかった。その結果、18年オフ、ＦＡでの人的補償として西武に移籍。通告を受けた時、妻は言葉を失い、自身は球団事務所で号泣した。４年前、内海が西武の選手として第一歩を踏み出したその日、本誌は内海に独占インタビューを行っている。その事実を知ることとなったが、同時に、再起にかける思いをこのように語ってくれていた。
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「少しずつ『またできる』という実感が湧いてきました。練習はウソをつかない」
しかし、西武に移籍してから引退するまでの４年間での成績はわずか２勝３敗。納得のいく活躍はできなかった。
「この４年間は本当に…苦しかったですね。その一言に尽きます。肉体的に以前よりは落ちたというのは理解していたんですけど、それよりも精神的に、一軍の登板が少なくなってきたため、一軍のバッターに対峙すると、イメージがそれまでと全然違うんです。そのストレスがかなり大きくて」
<div data-friday-nextpage-lead="プレッシャーに押し潰されそうだった"></div>
<h2>緊張とストレスで押し潰されそうに</h2>
チームの中心選手として先発ローテを守って１年間戦う環境が当たり前だった時代は意識すらしなかった一軍の空気が、西武のファームから１軍に上がった時には、全く知らない別の世界に行くくらいの違いに変わっていた。
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「一軍に常に身を置いていると、その環境に慣れてくるし、自分は慣れることで好結果を出すタイプでした。でも、西武に移ってからは、ほとんどファームにいたので、そうした状況で急に一軍に送り込まれるとどうなるか。新人が初めて一軍で登板するときの緊張とストレス、あの感覚が毎回訪れるんです。でも、僕は新人ではありません。お客さんも全盛期の僕をイメージして応援してくれます。そのプレッシャーに毎回、押し潰されそうになりました。４年間、ずっとそうでした。期待に応えたい。でも、身体と心が伴わない。もどかしい気持ちでいっぱいでした。それでも、置かれている状況に一喜一憂しない。ポジティブに毎日を過ごすということを心がけていました。悪い時こそ、足元を見てしっかりやれることをやる。ずっとそう心がけていました。諦めてなかったですし、なんとか生き残るために色々考えながらやったのはいい経験だったと思います」
その経験を今後は、コーチとして西武の若い選手のために生かしていくと内海は、決意を新たにする。
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「二軍というのは、不平不満が出たり、やる気がなくなったり、逆にやる気がすごかったり、いろんな状況の選手がいます。そんな中で、この１年間はコーチ兼任として一軍に向かっていけるモチベーションのための声がけをしたいと思ってやってはいましたけど、兼任だと自分自身の選手の方の比重が８割方あったので、自分の背中を見て感じてもらうことの方が多かったかなと思います。ただ、これからは、背中で引っ張っていくことができなくなったので、頑張っている選手たちの背中をもっと押してあげられるようなコーチになりたいし、道しるべとして正しい方向に導いてあげられるように、苦しんでいる選手をサポートしていきたい。いまの強力な一軍投手陣の中に、二軍の投手が割って入り、突き上げていけば、チームはもっと強くなる。ファームのピッチャーが一軍で大暴れしている姿を見てみたい。総取っ替えくらいになれば最高だなと思います」
一旦、ユニフォームを脱いで、外から野球を観るという選択肢もあったと思うのだが、
「全く思わないですね。稼げるのかな？って。子供も４人いてこれからお金がかかるので（笑）。これは冗談ですが、今年１年コーチを兼任してみて、やりがいをすごい感じたので」
最後に、どうしても聞きたいことがあった。それは、巨人への思いだ。
「育ててもらったし、世に出してくれたので感謝しかありません。子供の頃から憧れる球団のユニフォームを着てプレーできたというのは最高の野球人生だったと本当に思います」
そしてもう一つ、大事なことを聞き逃してはならない。それは、巨人からコーチのオファーはあったのか、ということ。
「それはどうでしょう。ちょっとわからないです（笑）。でも、西武が何の活躍もできなかった僕を４年間選手として見てくれた恩は絶対ですし、それを忘れてはいけない。『辞めます』と自分から言ったときに、すぐに球団から『コーチとしてやってほしい』と言っていただいた。これは期待に応えないといけないと思いました」
誰もが認める漢（おとこ）内海の第２章がここから始まる。
<figure id="attachment_278586" aria-describedby="caption-attachment-278586" style="width: 2500px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="7ccf6930"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/RE_SH533527.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278586" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　内海哲也元投手 「燃え尽きました！これからは若手をサポートします」</figcaption></figure>
<figure id="attachment_278587" aria-describedby="caption-attachment-278587" style="width: 1667px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="e011dd96"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2022/12/SH533460.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-278587" class="wp-caption-text">本誌未掲載カット　内海哲也元投手 「燃え尽きました！これからは若手をサポートします」</figcaption></figure>
『FRIDAY』2022年12月16日号より

濱﨑慎治

19年間、巨人と西武で活躍した内海哲也投手。キャリアの後半は挫折とプレッシャー、ストレスにさらされ続け辛いものだったという。独占インタビューでは、西武二軍の投手コーチとしての再起を意気揚々と語った―。

スペシャルインタビュー 元読売巨人軍・埼玉西武ライオンズ投手 19年間の栄光と苦悩の野球人生を振り返り、投手コーチとしての意気込みを語った

「この４年は苦しかった」内海哲也が激白巨人からのオファーは…「ちょっとわからないです（笑）」

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