NHK大河『鎌倉殿の13人』称賛の小栗旬 「世界に羽ばたく俳優」宣言で‘24年米国進出リベンジか
最終回『報いの時』から1週間がたった今も、北条義時(小栗旬)とその姉・政子(小池栄子)によるラストシーンの興奮が冷めやらぬ大河ドラマ『鎌倉殿の13人』(NHK)。今回の大河ドラマは、鎌倉幕府を開いた頼朝(大泉洋)にすべてを学び、武士の世の中を盤石にした男を中心として、カオスの中世・鎌倉を舞台に頼朝の家臣団が激しいパワーゲームを繰り広げる仁義なき戦いだった。
13分にも及ぶラストシーンについては脚本を手掛ける三谷幸喜氏が、朝日新聞の連載エッセイに
「参考になったのは、アガサ・クリスティのある作品」
であると書き記したことから、ネット民の間ではアガサ・クリスティの作品を巡って考察合戦が繰り広げられたことも記憶に新しい。
「クランクアップを迎える撮影の最終週。ラストシーンの撮影まで3日間あまり、小栗は一切食べ物を口にせず、死にゆく義時に寄り添っていました。2日目の夜はプレッシャーもあったのか、『眠れません』というメールを三谷氏の元に送信。
『完璧な義時だったから安心して明日を迎えてください』というメッセージに背中を押され、小栗は最後の現場に挑んでいます。そのラストシーンについて制作統括の清水拓哉CPは『もはや小栗旬ではない北条義時の、手負いの獣のような姿に見ていて窒息しそうになりました』とその演技に衝撃を受けています」(制作会社プロデューサー)
小栗演じる北条義時は、源平合戦、鎌倉幕府成立など大きな出来事の主役ではなかったことから言動も多く残っておらず、演技に明確な答えがあるわけではない。髪を伸ばし、乗馬の練習に取り組みながら、小栗は義時の思考回路に分け入り、役作りを進めていくしか他に手立てはなかった。
「小栗は『日々義時のことばかり考えているから、僕が義時なのか、義時が僕なのか、よくわからなくなってくる。こういう経験ができるのも、大河ドラマで主役を演じる醍醐味』。
さらに『義時と一体化したことで、ドラマの後半では台本を見なくても情景やセリフが頭に浮かぶようになった』と、役作りについて振り返っています」(制作会社ディレクター)
最終回の翌日、小栗は番組『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演。その際、占い師・星ひとみとの間で興味深いやり取りが残されている。
「番組では星から『来年から海外との“気”がつながり、2024年は再チャレンジが成功・達成する年と出ている』と言われています。基本的に自分の目標みたいなものをあまり口にするのが好きじゃないという小栗が、星に対して『世界に羽ばたく俳優になりたい』という思いをはっきり口にしています。
昨年、映画『ゴジラvsコング』でハリウッドデビューを果たすも、大きな挫折を味わった小栗。いよいよリベンジするチャンスが巡ってきたのかもしれません」(放送作家)
小栗旬が、満を持して“米国に忘れ物を取りに行く”。そんな日がやって来るのもまもなくかもしれない…。
- 文:島右近(放送作家・映像プロデューサー)
- 写真:つのだよしお/アフロ
放送作家・映像プロデューサー
バラエティ、報道、スポーツ番組など幅広いジャンルで番組制作に携わる。女子アナ、アイドル、テレビ業界系の書籍も企画出版、多数。ドキュメンタリー番組に携わるうちに歴史に興味を抱き、近年『家康は関ケ原で死んでいた』(竹書房新書)を上梓。電子書籍『異聞 徒然草』シリーズも出版