「あいつは持ってる男です」強豪レイカーズへ電撃移籍の八村塁 恩師が語る「最強メンタル&剛運」伝説 | FRIDAYデジタル

「あいつは持ってる男です」強豪レイカーズへ電撃移籍の八村塁 恩師が語る「最強メンタル&剛運」伝説

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中学時代の恩師である坂本氏(右)。昨年、日本で国際大会が行われるや、八村が招待するなど現在も親交は深い(写真:坂本氏提供)
中学時代の恩師である坂本氏(右)。昨年、日本で国際大会が行われるや、八村が招待するなど現在も親交は深い(写真:坂本氏提供)

「凄いよ、凄い。(ウィザーズが)下手したら契約してくれないかもしれないっていうんだから心配してたけど、よくやってるわ。こんなドラマ見せてくれるやつ、なかなかいない。レイカーズは俺だって知ってるチームだもん(笑)」

中学時代の恩師である坂本譲二氏は、八村塁(24)の電撃移籍についてそう心境を語った。

1月23日、NBA『ワシントン・ウィザーズ』に所属する八村が『ロサンゼルス・レイカーズ』へ移籍することが正式に発表された。レイカーズはリーグ最多17回の優勝を誇るNBAきっての強豪チーム。一方、今季の八村は自己最多の30得点を2度も記録するものの先発出場はなく、右足首の怪我で一時離脱を余儀なくさせられるなど苦しいシーズンを送っていた。ウィザーズとの契約も最終年だっただけにレイカーズへの移籍はまさにサプライズだった。(以下、「」内の発言は全て坂本氏の発言)。

「あの子は本当に持ってるよ。ゴンザガ大学時代もそうだった。ある時、塁が『変なおっちゃんが大学の体育館にしょっちゅう来るんです』って言ってて、詳しく聞いてみたら、その人はジョン・ストックトンさん(『ユタ・ジャズ』で活躍した元NBA選手。歴代最多のアシスト、スティール記録を持つ伝説的プレーヤー)だった。ストックトンさんの娘さんがよくゴンザガ大学の体育館に遊びに来てて、その繋がりで本人も顔を出していたそうです。塁とストックトンさんはよく2対2で遊んでいたそうですが、ストックトンさんの最初のパスがいつもとんでもないところに出て、塁も困っているようでした。でもそれはストックトンさんなりの『ここへ走り込め』というメッセージで、プレーするうちにあの子もその意味を理解するようになった。で、今度はレブロン・ジェームズがいるチームでしょう。もう持ってるとしか言いようがない(笑)」

さらに坂本氏は八村の強みについてこうも話す。

「中学3年生の頃、チームは完全に塁の天下になってしまって、周りもあの子に委縮するようになっていたんです。危機感を感じた私は、『塁がいなくても県大会は勝てる』とほかの選手を中心にチームを作ろうと提案しました。すると一人の子がぼそっと『塁がいないと全国制覇できない』と言った。そしたら他の子たちも『塁がいないとダメだ』と次々に言い出して……。それで塁に『お前がどう感じてるか知らないが、お前を必要としてるチームメイトがこんだけいるんだぞ』と伝えました。

彼が変わったのはそこからかな。仲間の大切さを知っているからこそ、あの子はチームのために勝つという思いが人一倍強い。コーチだったり、監督だったり、仲間をあそこまで大切にする選手はいない。それがNBAでも生きてる気がする。あれだけ凄い選手がいる中で塁がやれてるのはその気持ちがあるからじゃないかな」

“キング”をも恐れない「最強メンタル」

名門レイカーズには「キング・ジェームズ」の愛称で知られるレブロン・ジェームズ(38)をはじめ、アンソニー・デイビス(29)やラッセル・ウェストブルック(34)など錚々たる選手が並ぶ。今後、八村はウィザーズ以上の熾烈なスタメン争いへと挑むこととなる。

「塁は変に慌てたりはしないですよ。昔からどんな時もマイペースなんです。高校入学前に、実力をみるために練習試合に連れて行かれたことがありました。そしたら『腰が痛いから嫌です』って言ったんですよ。すぐに学校側から『どんな子なんですか?』って連絡ありました(笑)。もちろん私は中学時代で塁を一度も怪我させてません。塁は自分の体の調子は自分で見る子なんです。無理はしない。逆に言えばメンタル・コントロールが非常に長けてる。だからポジション争いだって変に気負いはしないと思います」

昨年10月には『NBAジャパンゲームズ2022』で帰国した八村と久しぶりの対面を果たしたという坂本氏。世界的スターへの階段を登り続ける教え子へ、改めてエールを送った。

「塁に呼ばれて、最終日の試合を見に行ったんですよ。元気そうでしたよ。『八村選手は雲の上の人だから俺は喋れねぇ』と冗談を言ったら『コーチ、そんなこと言わんといてくださいよ』って笑ってました。

塁には本当に少しでも長くNBAの選手としてプレーをしてほしいと思ってます。4年間、あの世界で生き抜いただけでもすごいのに、ここからレイカーズですからね。ウィザーズでは塁は背番号8でしたが、レイカーズで8番はコービー・ブライアントの永久欠番になっているので、背番号も変わる。そういう意味でも彼は新たなスタートを切れると思う。僕も新しい塁に期待したいです」

恩師との思い出を胸に、八村は新たな頂へと向かう。

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