「凡打でヘルメット投げつけ」…WBC・近藤健介が語っていた「ベンチの雰囲気を悪くする」切れキャラ | FRIDAYデジタル

「凡打でヘルメット投げつけ」…WBC・近藤健介が語っていた「ベンチの雰囲気を悪くする」切れキャラ

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’93年、千葉県生まれ。横浜高では3年春と夏の2度甲子園に出場。身長173㎝、体重85㎏。右投げ左打ち(写真は日ハム時代)
’93年、千葉県生まれ。横浜高では3年春と夏の2度甲子園に出場。身長173㎝、体重85㎏。右投げ左打ち(写真は日ハム時代)

3月21日(日本時間)に、メキシコとの準決勝を迎えるWBC侍ジャパン。打線では大谷翔平や吉田正尚、ヌートバーらの活躍が目立つが、つなぎ役に徹し欠かせない存在となっている選手がいる。2番の近藤健介(29)だ。

「近藤は準決勝までの5試合、すべて『2番・ライト』でスタメン出場しています。打率.389、1本塁打、5打点、出塁率.560と、つなぎ役として申し分ない働きです。左打者の多い侍ジャパンですが、近藤は左右どちら投げの投手も苦にしない。プロ通算で対右投手への打率は.306で、左投手に対しては.311を記録しています」(スポーツ紙担当記者)

年下からもイジられる気さくなキャラクターから、チーム内の信頼も厚い近藤。しかし日本を代表する左打者へ成長する過程は、決して平たんではなかった。『FRIDAY』は’18年4月27日号で、当時日本ハムに在籍していた近藤をインタビューしている。記事を再録し、近藤を苦しませた「精神的なムラ」を紹介したい(内容は一部修正しています)――。

「感情を制御できない」

近藤と臨床心理士の松島氏(画像:松島氏提供)
近藤と臨床心理士の松島氏(画像:松島氏提供)

「ア――ッ!」

「クソッ!」

以前は凡打が続くと、近藤の悔しそうな絶叫がベンチに響いていた。近藤が「ベンチの雰囲気を悪くした」という、自身の言動について振り返る(以下、発言は近藤)。

 「結果に一喜一憂し、精神的なムラが大きかったんです。イメージ通りの打球を飛ばせないと大声で叫び、凡退すればヘルメットを投げつけるなど道具にあたっていた。チーム内では中田翔さんと一、二を争う切れやすいキャラでした。ボクのせいでベンチの雰囲気が悪くなりましたが、感情を制御できない。自分自身を冷静に見る余裕がなかったんです」

悩んだ近藤が球団のトレーナーに相談し、’16年末から始めたのが臨床心理士・松島雅美氏の推奨する「メンタルビジョントレーニング」だ。毎日20分間、動体視力を鍛え、視野を広げる練習を続けた。

 「ボクは打席で集中し過ぎて、視野が狭くなっていました。松島先生のアドバイスで『泳いでもいいや』ぐらいのラクな気分で打席に立つと、逆に視野が広くなったんです。他にも、さまざまなトレーニングもしました。乱数表のように無数の文字が書かれた1枚の紙の中から一定時間内に『あいうえお』を見つけたり、壁に当てたゴムボールに書かれた言葉を跳ね返った瞬間に判別するなどです。

毎日の結果は松島先生に報告し、次はどんなトレーニングをすればいいのかレクチャーを受けています。もともとボクは両目1.5と視力がいい。効果は劇的でした。ボール球を強引に打ちにいくことがなくなった。球を見極められるので体勢を崩されることもなく、自分が捉えられるボールだけを打てるようになったんです。打席でも精神的に余裕ができ、結果に一喜一憂しなくなりました」

メジャーで大活躍する大谷とも、打撃論を語り合った仲だ。

 「(大谷が日ハムにいた頃は)よく遠征先で焼き肉や寿司を食べながら、バッティングについて長い時間2人で話し合っていました。大谷の活躍は、試合前にロッカーのテレビで見ていますよ。(メジャーで)初本塁打を打った直後には、LINEで『みんなで見てたぞ。引き続き頑張って』とメッセージを送りました。

しばらくして大谷からは『ありがとうございます』と返信がありました。ボクも負けてはいられません。いずれは首位打者のタイトルをとりたい。期待される数字に少しでも近づけるようにしたいです」

今では大谷とともに、日本代表チームを打線の中心を担っている近藤。精神面が安定したことにより、才能を大きく開花させたのだ。

松島氏のトレーニング。数字やマークを記憶してシャッフル。カードを目で追うことで必要な情報を的確に取り出す能力が高まる
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両手の親指を短い一定の感覚で見比べる眼球運動
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選球眼の良さから三振の数も少ない(写真は日ハム時代)
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入団当初は捕手だったが腰への負担を軽減するため外野の守備に。レフトを守る外国人アルシアと談笑(写真は日ハム時代)
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親指の指先を数分間交互に見るだけでも動体視力を鍛えられる。「移動中のバスやホテルでも気軽にできます」(写真は日ハム時代)
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  • PHOTO小松寛之

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