「法律対策がきっかけです」元ヤクザVTuber「懲役太郎」が語る極道に人気の意外な海外ブランド
「暴対法(暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律)の成立でヤクザへの締め付けが非常に厳しくなり、ヤクザの洋服の選択肢が非常に少なくなっています」
そう語るのは、何度も刑務所に入っている人のことを指す「懲役太郎」という名前でバーチャルユーチューバー(VTuber)活動を行っており、自身も元ヤクザである「懲役太郎」だ。
ヤクザはナメられないように、見た目にかなり気をつかう。映画やドラマでは高級スーツで格好良く決めているイメージがあるが実際のところはどうなのだろうか。
「昭和の初期の頃はヤクザがスーツを着るという習慣は一切ありませんでした。しかし、暴対法の成立などによってヤクザへの締め付けが厳しくなり、いかにもヤクザという服を着ることを避けるようになった結果、高いスーツが流行りだしたんです。なかでもアルマーニやヴェルサーチのようなイタリアのブランドが人気でしたね」
ヤクザになってすぐ、兄貴分にオーダースーツをつくってもらったという懲役太郎。兄貴分が子分や連れている女性の服に気をつかうのも、ヤクザの体裁を守るためなのだと懲役太郎は語る。
「自分は高いものを着ているけど、子分や連れている女性が安物の服を着ていると器量がないと見られてしまうので、周りの人間のファッションにも気をつかっていましたね。いい服を着ていることでナメられないようにするんです。ライオンのたてがみみたいなものですね(笑)」
そういう事情があり、いい服を着ているヤクザ。ナメられないようにするためであれば、組の代紋が入っている服を着ればそれで済むのではないかと思うが、暴対法の成立でそうすることができなくなっているのだとか。
「昔は、組の代紋の形をしたバッジをヤクザの組に入るときにもらっていましたが、暴対法の成立でつけて組の事務所を出ると逮捕されるようになってしまったので、つけられなくなりました。そのせいか、引退したヤクザやその家族がネットなどでそのバッジを売りに出しています。それを避けるために事務所を出るときに回収するようになったそうです」
ほかにも、刺青を見せると逮捕されてしまうようになったので、夏でも長袖を着なければいけないなど、さまざまな制約を受けているヤクザ。いかにもなヤクザはこれからどんどん姿を消していくのかもしれない。
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