<figure id="attachment_323541" aria-describedby="caption-attachment-323541" style="width: 2346px" class="wp-caption alignnone"><a href="#" data-ident_hash="eec53443"><img src="https://res.cloudinary.com/fridaydigital/image/private/t_article_image/wpmedia/2023/07/c6786cfbfd9c5ce28b84b491f6b60457.jpg" alt=""></a><figcaption id="caption-attachment-323541" class="wp-caption-text">７月７日、’22年11月に亡くなった崔洋一監督のお別れ会に出席した寺島しのぶ</figcaption></figure>
歴史的快挙と言ってもいいだろう。
７月18日、10月の歌舞伎座新開場10周年「錦秋十月大歌舞伎　文七元結物語」に、寺島しのぶ（50）が出演することを松竹が発表したのだ。女性の歌舞伎座出演ということでは、昨年12月に十三代目市川團十郎白猿の長女・市川ぼたん（12）が歌舞伎座「十二月大歌舞伎」に出演したが、メインキャストとして成人女性が歌舞伎座本公演の舞台に上がるのは史上初だ。寺島は同日、自身のブログを更新。
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《50歳の挑戦として好きなことを好きな人とやる！というものを自分の中で掲げておりまして、そんな矢先お話を頂いたのがこの『文七元結』でした。人生一度きり、歌舞伎座の怪人に摘み出されないように、謙虚にそして舞台ではお客様に楽しんでいただけるように力を合わせてやらせていただきたいと思います》
と決意を述べたが、《歌舞伎座の怪人に摘み出されないように》と、意味深発言も。その真意は、何だったのだろうか。
「歌舞伎の超名門『音羽屋』の長女として生まれ、幼い頃から『私も歌舞伎役者になる』と決意するも、成長するにつれてその夢が叶えられないことに苦しんだといいます。20年前のインタビューでは、 《やりたいことが絶対にできない。挑戦する機会さえ与えられない、というのはちょっとつらい。その後の私の人生は、その夢をあきらめるためにありました》と、語るほどでした。
今回、その夢がついに叶うわけですが、歌舞伎に携わる関係者の誰もが大歓迎というわけではないことも彼女はわかっています。『怪人』は誰か？ということではなく、長く守られてきた伝統を打ち破ることに対する覚悟の表れだと思います」（歌舞伎専門誌記者）
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今回の決定についても、様々な憶測が飛び交っている。一部週刊誌は、
〈十三代目市川團十郎白猿襲名披露公演が大コケしたことで、集客のためには背に腹は代えられないという松竹の判断があった〉
〈市川猿之助容疑者の引き起こした騒動を払拭するためには“飛び道具”が必要だったから〉
などと報じているが、実際はそうではないという。
<div data-friday-nextpage-lead="寺島しのぶの大歌舞伎出演決定の決め手は…"></div>
「実は、コロナ禍がひと段落してからというもの集客はかなり伸びており、最近ではコロナ禍前と変わらなくなってきています。猿之助容疑者の件が歌舞伎界に暗い影を落としたのは確かですが、だからと言って集客が減ったということはありません。むしろ、『頑張って！』と応援してくださる方が増えたという印象です」（梨園関係者）
では、なぜこのタイミングで、寺島の出演は決まったのだろうか。
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「弟の五代目尾上菊之助（45）の強い要望があったと聞きました。子供の頃から姉の思いを間近で見て知っていましたから、なんとか叶えてあげたいという思いが強かったのでしょう。もう一つの理由は、『文七元結物語』を山田洋次監督（91）が演出されるということが大きいと思います。
寺島は山田監督作品の『キネマの神様』（’21年公開）など山田作品に出演しています。『文七元結』が七代目尾上菊五郎の人気演目の一つで、その娘というのも大きかった。寺島の夢を知っていた山田監督からの指名があったのではないでしょうか。そういう意味では、これはあくまでイレギュラーな決定には違いありません。寺島も『次はない』と、死に物狂いで舞台に立つと思います」（寺島しのぶ事務所関係者）
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『次はない』と、寺島の関係者は語ったが、梨園関係者もその想いは同じだという。
「寺島さんが日本アカデミー賞主演女優賞など各賞を総なめにし、名女優であることを否定する者はいないでしょう。ただ、歌舞伎に関しては決してそうではありません。目の肥えた観客たちは純粋に素晴らしい歌舞伎の舞台が観たいのです。
正直、女性だとか菊五郎さんのお嬢さんというのは関係ないのです。素晴らしい芸を観せてくださったらまた観たいと思う。そうじゃなかったらもう観たくない。客足も遠のくでしょう。そうならないためにも、『次はない』覚悟で臨んでほしいですね」
『次はない』覚悟で臨むといっても、寺島が将来的に長男の尾上眞秀（10）との共演を念頭に置くことは間違いなく、
「いずれにしろ大きなターニングポイントになることは間違いない」
と関係者は10月公演を複雑な思いで待つことになる。寺島には誰もが黙るほどの素晴らしい演技を期待してやまない。

西圭介

10月の歌舞伎座新開場10周年「錦秋十月大歌舞伎　文七元結物語」に出演することが決まった寺島しのぶ。この歴史的快挙に梨園関係者は「これが大きなターニングポイントになる」と語る。その理由は...

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