『いだてん』を苦しめる働き方改革のワナ

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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初の大河で苦戦するクドカン。NHKの上田良一会長は「全く新しい大河。毎週楽しく見ている。現場は日々考えている」とフォローしたが……

NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』が苦戦している。脚本の宮藤(くどう)官九郎を始め、大ブームを起こした『あまちゃん』チームの制作とあって大いに期待されたが、6話で視聴率が一ケタに転落(大河史上最速)。外部演出家・大根仁(ひとし)が担当した9話は前話から0.4%上がったものの(9.7%)、第10話は8.7%とさらに下落した。

「大河の視聴者に近代がウケないことは局側もよくわかっています。実際、終戦後の日本を描いた『いのち』以来、33年間も制作されていません。あえて”禁を破った”のは、NHKが局をあげて『2020東京オリンピック・パラリンピック』を盛り上げているからです。なんとか『いだてん』を成功させるべく、スウェーデンのストックホルムでロケを敢行するなど、関係者は必勝態勢で臨んだのですが……」(テレビ誌編集者)

NHK内でも『いだてん』に対する不満の声があがっているという。

「実は関係者向けに試写会を行った段階で、『古今亭志ん生役のビートたけしの滑舌が悪すぎる』『テロップを入れたほうがいいんじゃないか?』との指摘が多数、寄せられていた。どうして、すぐに手を打たなかったのか。現代と過去を行き来する構成もわかりづらい。あれじゃ、中高年の視聴者はついていけないでしょう」(NHK関係者)

NHKは3月5日、『いだてん』の新キャストを発表。これがドラマ初挑戦となる世界的ダンサーの菅原小春(27)、柄本佑(たすく)(32)、寺島しのぶ(46)らが、4月から放送される大正編に出演することが明らかとなった。

「菅原の演技力を不安視する声もありますが、台本を読んだ限り、あまりセリフはないから大丈夫でしょう。彼女が演じるのは日本人女性初のオリンピック選手、人見絹枝。走ったり跳んだりするシーンがメイン。身体能力の高さを買われての抜擢なので、競技中のシーンは迫力が出るはず」(前出・NHK関係者)

裏を返せば、菅原に期待するしかないくらい追い込まれているということだが、起爆剤としてはパワー不足だ。

『あまちゃん』でヒロインを務めた能年玲奈(現のん・25)を起用するといった大掛かりなテコ入れを望む声も出ているが、「すぐに手を打てない事情がある」と芸能プロ幹部が言う。

「実は働き方改革の波はテレビ局にも押し寄せていて、各局、スケジュールを前倒しにして、一日の労働時間を短くするよう取り組んでいます。その影響で『いだてん』は、すでに脚本が37話まで完成。編集も18話まで終わってしまっている。カンフル剤を打ちたくても、打てるのは物語の中盤以降になってしまうのです」

いま、できることは何か――NHKが力を注いでいるのは「取材会」だ。

「大河と朝ドラ(朝の連続テレビ小説)は、マスコミ向けにキャストたちの合同取材会を定期的に行っているのですが、『いだてん』の取材会の多さは尋常じゃない。毎週、キャストや演出家の誰かが、取材会を行っていますから。視聴率の話くらいしか、聞くことがないんですけどね……」(前出・テレビ誌編集者)

主人公のモデルとなった金栗四三(かなくりしそう)はストックホルム五輪を途中棄権した。『いだてん』は無事、完走できるだろうか!?

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