ミキは氷山の一角? 吉本興行を笑えない「テレビ局のステマ事情」

連載 スタッフは見た!週刊「テレビのウラ側」Inside story of Television

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『ミキ』の二人。他にも木村祐一ら計5組の芸人が京都市の委託でSNSにPR投稿をしていた

人気お笑いコンビ『ミキ』の二人が、京都市をPRする投稿をSNSで4度アップ。合計100万円の報酬を受け取っていたことが発覚した。同投稿にはPRとの記載がなかったため、「これはステルスマーケティング(以下、ステマ)じゃないか」と糾弾する声があがっている。

「『ミキ』が所属する吉本興業は『京都市盛り上げ隊』等のハッシュタグを明記していたからで、ステマにはあたらないと判断したようですね。吉本は昨年からインフルエンサーの育成に力を入れており、所属芸人を対象に定期的にSNSビジネスの講習会を開催している。今年に入ってからは、フォロワー数が10万人以上いる芸人たちに劇場などで『1回の投稿で5万円のギャラを払うPR案件』を紹介していたそうですから、『ミキ』の一件は氷山の一角かも」(制作会社スタッフ)

’12年に『ペニーオークション』で詐欺事件が発生。逮捕された幹部の供述などにより、複数の芸能人がステマ投稿をしていたことが発覚。業界団体『WOMマーケティング協議会』は報酬が発生する投稿には『#PR』等を明示するようガイドラインを定めていたのだが――「テレビ業界はもっとルーズですよ」と苦笑するのはキー局プロデューサーだ。

「情報バラエティ番組を観ていると、芸能人が新商品をプッシュするコーナーがよくありますが、多くがメーカーとのタイアップです。テレビ業界では『営業案件』と呼ばれていて、営業案件をメインに扱っているPR会社もありますよ。番組で紹介すると企業側から報酬が支払われるのですが、番組のエンドロールで『取材協力』として企業名が表記されて終わり、というケースがほとんど。PRだと気づく視聴者は少ないでしょうね」

『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の『〇〇芸人』など、特定の企業や商品をフィーチャーした番組が増えているのは「テレビ局側の事情」だと制作会社ディレクターは言う。

「番組で紹介する家電などを無償提供してもらえるので制作費削減につながる。同じテレ朝系で放送されている『帰れま10』は飲食費、収録場所など、企業側の協力なしには成立し得ない番組です。企業と仲良くしておけば、後々、番組のスポンサーになってもらえるかもしれない、という淡い期待もあります」

現在放送中のドラマ『おっさんずラブ~in the sky~』(テレ朝系)は格安航空会社『ピーチ』とのタイアップ作ということを前面に打ち出している。

「ピーチ限定の『おっさんずラブ』グッズ等が発売されるそうです。スポンサーから『出演者のSNSも使ってPRしてほしい』と依頼されることがありますが、さすがに『CM出演契約を結んでいる企業以外は難しい』と拒否されることが多いですね」(芸能プロ幹部)

企業の顔色を窺いすぎるあまり、当局から指導が入るケースもある。

「商品を丁寧に説明しすぎると『広告放送であることを隠した通販番組』などと見なされ、BPO(放送倫理・番組向上機構)から注意されます。なので、PRを依頼された商品を番組で紹介する際には、〝出演者がたまたま見つけた〟という設定にして、成分や使い方などをさりげなく説明させるのです」(放送作家)

視聴者の信頼を失ったら、番組は立ち行かないと思うのだが。

『FRIDAY』2019年11月29日号より

Photo Gallary1

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