石原さとみが「メトロガール」で普通の街ばかりを巡ったワケ

5年目の新作はいつになるか

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石原さとみ。ドラマ『失恋ショコラティエ』で「東京ドラマアウォード」の助演女優賞を獲得した(2014年10月)

「営団地下鉄」民営化(2004年)で「メトロガール」開始! 井川遥、山田優、宮﨑あおい、新垣結衣、杏、武井咲、堀北真希、石原さとみ その系譜を辿る

メトロガール。2004年の井川遥に始まって、山田優宮﨑あおい新垣結衣武井咲堀北真希、そして石原さとみという様々な女優・モデルたちが担ってきた。鉄道会社各社が有名女優を起用したCMを数多く打つようになっているが、東京メトロが民営化以降に展開してきたCMシリーズはこの先駆けとなるものであった。

新型コロナウイルスの感染拡大防止のために続く自粛。JR各社や大手私鉄など公共交通機関も、軒並み利用者を激減させている。

本企画は、1日平均の利用者758万人(2018年)、首都東京の大動脈「東京メトロ」を彩ってきたイメージキャラクター、名付けて「メトロガール」たちに焦点をあて、あの賑わいの少しでも早い復活を念じつつ、時代を振り返る。

メトロガールを「5つの時代」に分けて振り返る最終回。2016年~2020年。ご存知、石原さとみの登場である。

「Find my Tokyo.」継続 取り上げる街を好きになってもらう 

井川遥・山田孝之に始まり、宮﨑あおい、新垣結衣、杏、武井咲を経て、堀北真希に到達した東京メトロのCMは、いよいよ石原さとみ時代の幕を開ける。2016年のCMシリーズは、前年に引続き「Find my Tokyo.」をテーマに展開された。

2009年から2010年にかけて、イメージキャラクターを変えながら「TOKYO HEART」シリーズが継続されたのと同じ形態をとることになった。

石原さとみは16年当時、29歳

2002年の第27回ホリプロタレントスカウトキャラバン「ピュアガール2002」でグランプリを受賞。女優活動を開始すると、NHK連続テレビ小説『てるてる家族』(2003年)のヒロインに抜擢されるなど、順調な滑り出しを見せた。ところが、その後も数多くの映画やドラマに出演するものの、一時期はそれほど目立たない存在になっていた。

彼女が飛躍を果たしたのはデビューから10年目、2012年~2013年頃である。25歳を超えて大人の女性としての魅力に磨きがかかったことで、CMキャラクターや、テレビドラマの主役、ヒロインを次々に努めるなど、一躍、トップ女優に名乗りを上げる。

東京メトロによれば、堀北真希時代のCMの狙いは「訪れた町の新たな魅力に気付いてもらう」ことだった。

これに対して、イメージキャラクターが石原さとみに交代した新シリーズの狙いは、それとは一味違う切り口で、「知っている街の新たな、また意外な魅力を発見することで、その街を好きになってもらう」こと。

そこで、「アクティブなイメージのある石原さとみの表情の大きな変化やアクションにより、これまで以上の街のライブ感を表現することで、CMで取り上げる街を好きになってもらう」ことを目指しているという。

実際、これまでのCMと比較して、その着眼点は大きく変化している。新垣結衣や武井咲、前任の堀北真希の時代でも、街を題材にしたCMはあったが、そのほとんどは上野や池袋、豊洲、表参道といった、多くの人がイメージを共有する、よく知られた「東京」だった。

ところが、今シリーズで取り上げられるのは、普通の街。そこで見つける「意外な魅力」にスポットが当てられている。これをストレートに伝えているのが「Find my Tokyo.」特設サイトにある一文だ。

この街には何もない。って言う人もいるけど、絶対そんなはずない。

ささやかでもいい。ちょっと変でもいい。超個人的でもいい。

あなたの「好き」を教えてほしい。

そんな話をしているうちに、

その街とあなたを、もっと好きになれるから。

門前仲町、麻布十番、王子、中野…。普通の街の意外な魅力を発見!

第1弾は「門前仲町」。江戸の下町情緒あふれる街として知られてはいるものの、シリーズの第1弾として取り上げるには、なかなか勇気がいるチョイスだ。

1年目に取り上げた街は、門前仲町麻布十番王子中野。これまでCMでは取り上げられることのなかった街が並ぶ。

CMの見どころは石原さとみのファッションだ。時に奇抜、時に艶やかな衣装が、彼女の明るさと存在感をさらに際立たせる。また今シリーズからタイアップソングがCMごとに変わるこだわりよう。プロデュースはMr.Childrenなどを手掛けた小林武史だ。

また、石原さとみの魅力を余すことなく伝えているのが、特設webサイトで展開する動画「あなたもチャレンジ! Find my Tokyo.」だ。CMやポスターで取り上げた街で撮影した、石原さとみの様々なチャレンジを動画で見ることができる。ナチュラルな雰囲気で表情豊かに東京の街を楽しむ姿は、見ている方まで楽しくなる。

→ 「あなたもチャレンジ! Find my Tokyo.」 人気のチャレンジ ランキング を見る

東京飛び出し、千葉県・浦安へ! 埼玉県・和光市へ!!

2年目の2017年は遂に東京を飛び出し、千葉県の浦安へ。

2018年の第2作でも東京メトロの駅で唯一、埼玉県に所在する和光市に足を延ばすなど、石原さとみの「Find my Tokyo.」は自由な展開を続けていく。

2019年は、毎回ゲストを迎えて街を巡る。第1作はお笑いコンビ「たんぽぽ」の川村エミコと北千住。第2作は俳優の光石研と。第3作は落語家の三遊亭好楽と雑司が谷。第4作はテレビリポーターの竹内海南江と錦糸町CMなのに、まるでミニ番組のような情報量だ!

気になるのが今年、2020年のイメージキャラクターがどうなるのかということ。毎年、前年度末に発表される新CMシリーズの告知が、今年はまだ行われていない。

東京メトロに聞くと、新型コロナウイルスの影響で外出自粛が求められていることもあり、「おでかけ」にこだわったCMを発表できる状況にないということらしい。石原さとみが5年目も続投するのかも含め、発表できることはない、との回答。

ただ、4月以降も「Find my Tokyo.」シリーズのwebサイトはそのまま継続していることから、石原さとみの続投が既定路線だったのは間違いないのではないか。それほどまでに、このCMの完成度は高く、わざわざ方向性を変える必要性を感じない。東京メトロ16年のCMの歴史が詰まった完成度と言えよう。

「ウィズコロナ」の時代になった。

まだまだ取り上げられていない駅はたくさんある。新しい石原さとみの笑顔を、東京メトロの車内ビジョンやCMで見られる日が来ることを楽しみに待ちたい。

そうなった時、私たちは新型コロナウイルスの拡散をなんとかコントロールしながら、少しづつ日常生活を取り戻しているはずだから。

▼「メトロガール」ヒストリーを読む▼

〔第1回〕井川遥+山田孝之、山田優編(2004年〜2006年) を読む

〔第2回〕宮﨑あおい編(2007年〜2009年) を読む

〔第3回〕新垣結衣、杏、武井咲編(2010年〜2012年) を読む

〔第4回〕堀北真希(2013年〜2015年) を読む

〔第5回〕石原さとみ(2016年〜2020年) を読む

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  • 枝久保達也

    (鉄道ジャーナリスト)埼玉県出身。1982年生まれ。東京地下鉄(東京メトロ)に11年勤務した後、2017年に独立。東京圏の都市交通を中心に各種媒体で執筆をしている。

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